By Brian Hon  ブライアン ホン (たける)

 

日本への旅行は僕がこれまでに味わった経験の中でも最高の部類に属するものであった。学校でいろいろ準備していたにもかかわらず、こうだろうなと想像していたものとは違っていた。日本は単に違うというだけではなかった。アメリカを出発する前に考えていたように違っているのでもなかった。店、通り、お金、さらに都市さえも多くがアメリカと似ていた。すべてが、僕が思っていたようにはまったく違っているのでもなかった。しかし日本はかなり違っていた。住宅、食べ物、自動車、人々、ファッションその他当たり前と思っていた日常必需品などは、僕が慣れ親しんでいたものとは相当の隔たりがあった。しかしこのように似たところや違ったところがあったため旅行は楽しいものになった。

 

いまにして思えば、旅行の日がだんだん近づくにつれて、僕はかなり神経質になっていた。心配だったのは、もって行くお土産が本当にいいものなのかどうか、ホストファミリーはよくしてくれるかどうか、物笑いの種にならない程度に日本語を覚えているかどうかということだった。こっけいだったのはこうした心配が実際はすべて問題にならなかったことである。実際に問題となったのは、僕が思ってもいなかったことだった。かなり疲れたのである。予想以上に疲れたのである。最後のホストファミリーでは、東京ディズニーランドに行くのを断ってしまったほどである。疲労困憊だったので、行っても楽しめないのではないかと心配だったからである。

 

予想もしていなかったもう一つの問題は雨だった。日本ではずいぶんと雨がふった。ほとんど毎日であった。出発前の荷造りをしているときには、雨のことなどほとんど考えてもいなかった。しかし日本滞在中はぬれることが厄介な問題であり悩みの種だった。僕がまったく考えもしなかったもう一つの問題は、食べ物だった。僕は日本料理は好きだったし、箸もうまく使えたので、問題はまったくないと思っていた。ところが日本での食べ物は毎日、毎日いつもまったく違っていたので、旅の先々で、サンドイッチ、ポテトチップ、ハンバーガー類などアメリカの食べ物が恋しくなった。しかし、全体としては、僕が心配していたこと、つまりあらかじめ考えていたことや旅の途中で思いついたことなどは実際には一つも問題にならなかった。

 

僕は全体として、日本で、行ったさまざまなことが本当に好きになった。眺めも、ほぼいたるところが、素晴らしかった。写真は百枚も撮った。ほとんどの写真は、よくとれており、僕は満足している。僕は電車や新幹線の車窓から外を眺めたり、東京を歩いているときには人々が歩く通りを見たり、お店を眺めたりして楽しんだ。僕はどこであれ、景色が好きになった。食べ物も良かった。おそらく僕が本当の日本食に挑戦しようとしていたからであろうが、僕が行ったところはどこであれ、つまりファーストフードであれ、レストランであれ、ホストファミリーの食卓であれ、食べ物はおいしかった。僕はアメリカでなら考えも及ばなかった種類のさまざまな食べ物にも挑戦した。思いつくままに挙げると、うなぎ、レバー、各種フルーツ、刺身、煮魚、焼き魚、干物などである。

 

おそらく今回の旅行で一番よかったのは、今まで知らなかったすばらしい人々に会えたことである。みんなは 3 つのホストファミリーにホームステイしたが、僕は幸運にも 4 つのホストファミリーにホームステイした。僕はそれを心から感謝している。皆さんそれぞれすばらしい人々であった。乗り物の中の人々や通りなどで僕が会った人々、あるいは同じ高校生などみなすばらしかった。まさにそれこそ日本であり、本当の日本は人なのである。

 



These pages made by Nagai sensei, August 2003